廣川政樹 / Masaki Hirokawa - Bodhisattvas of the Earth / 地湧の手, March 2020. Digital Media and Photo Collage, 89 x 124 cm.
廣川政樹
アーティスト・クリエイター

略歴
廣川政樹は、日本のマルチ分野にまたがるアーティスト、UI/UXデザイナー、そしてアプリ開発者である。創作活動は、ビジュアルアート、デジタルメディア、インタラクティブテクノロジーといった領域を横断している。
1997年に独学でWebデザインとプログラミングを学び始め、1999年に株式会社国和システムにDTPオペレーターとして入社。2002年には株式会社NTTデータにてプログラマー/システムエンジニアとして基幹システムの開発に従事し、2005年よりフリーランスとして独立。以降、Webデザイン、プログラミング、グラフィック、インタラクティブムービー制作など幅広く活動を展開した。
2006年、MTV SO-ZOコンペティション(AMD協賛)にてWebスクリーンセーバー部門優秀賞を受賞し、同年から国内外での展覧会出展を開始。2008年以降は、グラフィック専門誌やデザイン書籍への寄稿・執筆を多数手がける。
2011年にはテクニカルアーティストとしてゲーム開発に参加し、2013年には独立系スマートフォンアプリ事業を設立。現在に至るまで、世界中で累計5,000万ダウンロードを超え、月間300万人以上のユーザーに支えられながら、開発・グローバルマーケティング・運営を継続している。
2019年よりグラフィックアート制作を本格的に再開し、ヨーロッパ、アジア、アメリカを中心に国際展覧会への出展を活発化。作品は、人間の意識・美・崩壊の狭間にある象徴的な世界を描き出し、夢と現実の境界を詩的に表現している。
2021年以降、A’ Design Award、Fondazione Effetto Arte、Contemporary Art Collectors、ITSLIQUID Groupなど世界各国の芸術機関から受賞多数。近年では、ギリシャの人道文化領事館による「Award of Achievement」や、ルクセンブルク芸術功労賞「Meritorious Service to the Arts Award」など、国際的評価を確立している。
代表的な展覧会には、LA Art Show(ロサンゼルス)、Ansan International Photo Festival(韓国・安山)、RenovArtプロジェクト(イタリア・マテーラ)、Rome International Art Fair(イタリア・ローマ)などがある。作品は365 Art+ Magazine、Le Musee Plus Magazine、The Best Contemporary Masters、Imago、Anthology – The Last Decade 2015–2025など、多数の国際誌に掲載されている。
アートとテクノロジーの双方に精通し、デジタルと詩的感性の狭間にある表現を追求し続けている。彼の創作は、繊細な共感覚と静かな神秘的インスピレーションが共存する、静謐かつ超現実的な世界を描き出している。

職歴
・創業者/リードデベロッパー(独立系アプリ事業)、2013年–現在:累計5,000万DL、月間300万人超;開発・グローバルマーケ・運営統括。
・インディペンデント・クリエイター(Web/UX・プログラミング・グラフィック)、2005年–現在:UX/UI設計〜実装;2008年以降寄稿多数。
・テクニカルアーティスト(ゲーム開発)、2011年:ツール導線構築、アセット統合、リアルタイム最適化。
・プログラマー/SE(株式会社NTTデータ)、2002年:基幹システム設計・実装。
・DTPオペレーター(株式会社国和システム)、2000年:プリプレス/レイアウト/制作。
・ビジュアルアーティスト(国際展)、2019年–現在:欧州・アジア・米州で出展、A’ Design Award等で受賞・評価。


2025年 Award of Achievement(ギリシャ・ハニア 人道文化領事館 主催)
2025年 The New Great Masters in New York(Fondazione Effetto Arte 主催)
2025年 W* Recognition(A’Design Award 主催)
2024年 Meritorious Service to the Arts Award(Luxembourg Art Prize 主催)
2024年 Phoenix for the Arts(Fondazione Effetto Arte 主催)
2024年 Global Art Virtuoso Award(Contemporary Art Collectors 主催)
2023年 Harmony for Humanity Art Prize(Contemporary Art Collectors 主催)
2023年 Career Art Award(Fondazione Effetto Arte 主催)
2023年 The Genius of Italy – ミケランジェロ国際芸術賞(Fondazione Effetto Arte 主催)
2023年 A’Design Award Golden Award(写真・フォトマニピュレーション部門)
2022年 第12回 ITSLIQUID International Contest 栄誉賞
2022年 BEST COVER ARTIST AWARD(365 Art+ Business Magazine 主催)
2022年 A’Design Award Iron Award(グラフィックデザイン部門)
2021年 第11回 ITSLIQUID International Contest 栄誉賞
2021年 ARTIST OF THE YEAR(ITSLIQUID Group 主催)
2006年 MTV SO-ZO Competition supported by AMD『Webスクリーンセーバー部門』優秀賞受賞


2025年 Ansan International Photo Festival(Ansan Culture & Arts Center/韓国・安山)
2025年 KINTSUGI(M.A.D.S. ART GALLERY/イタリア・ミラノ)
2025年 TRACES OF DREAMS(M.A.D.S. ART GALLERY/イタリア・ミラノ)
2024年 LA ART SHOW - Los Angeles Art Market(Fondazione Effetto Arte/アメリカ・ロサンゼルス)
2023年 International Good Design Exhibition(A’Design Award/イタリア・ローマ)
2023年 ENIGMI(Arte Borgo Gallery/イタリア・ローマ)
2023年 RenovArt | Shapes of Nature(ApuliaAste/イタリア・マテーラ)
2023年 CENSORED(M.A.D.S. ART GALLERY/イタリア・ミラノ)
2023年 RenovArt | Panta Rhei(ApuliaAste/イタリア・マテーラ)
2023年 RenovArt | Flowing Identities(Spazio Opera Gallery, ApuliaAste/イタリア・マテーラ)
2023年 FROM THE DISTANCE(VAN GOGH Art Gallery/スペイン・マドリード)
2023年 RenovArt | Flowing Identities(ApuliaAste/イタリア・マテーラ)
2023年 artbook事務局ギャラリー(株式会社トベル/日本・恵比寿)
2023年 Paris 2023 International Contemporary Art Fair(VAN GOGH Art Gallery/フランス・パリ)
2022年 BRAIN CAKE 2022(M.A.D.S. ART GALLERY/スペイン・バルセロナ/カサ・ミラ)
2022年 ADRENOCROMO FOR DINNER 2022(M.A.D.S. ART GALLERY/イタリア・ミラノ&スペイン・カナリア諸島)
2022年 WE CONTEMPORARY CATALOG & ART SHOW(MUSA International/イタリア・ローマ)
2022年 RenovArt | 100 Artists for the Future(11月展/ApuliaAste/イタリア・マテーラ)
2022年 GUARDIANS OF DREAMS 2022(M.A.D.S. ART GALLERY/イタリア・ミラノ)
2022年 LONDON CONTEMPORARY 2022(ITSLIQUID Group/イギリス・ロンドン)
2022年 PRETTY PERV 2022(M.A.D.S. ART GALLERY/イタリア・ミラノ&スペイン・カナリア諸島)
2022年 International Digital Art Exhibition(VAN GOGH Art Gallery/スペイン・マドリード)
2022年 ORIZZONTI TRASVERSALI 2022(M.A.D.S. ART GALLERY/イタリア・ミラノ)
2022年 CONTEMPORARY VENICE 2022(ITSLIQUID Group/イタリア・ヴェネツィア)
2022年 RenovArt | 100 Artists for the Future(7月展/ApuliaAste/イタリア・マテーラ)
2022年 International Contemporary Art Fair Monaco 2022(VAN GOGH Art Gallery/モナコ公国)
2022年 LIQUID ARSENAL 2022(M.A.D.S. ART GALLERY/イタリア・ミラノ)
2022年 RenovArt | 100 Artists for the Future(ApuliaAste/イタリア・マテーラ)
2022年 ROME INTERNATIONAL ART FAIR 2022(ITSLIQUID Group/イタリア・ローマ)
2022年 VIFAF 2022 - Virtual International Fine Art Fair(World Of Crete/ギリシャ・クレタ島)
2022年 Avant Garde Exhibition(Virtual Artists/イギリス・ロンドン)
2022年 NFT - NEW FREEDOM THINK 2022(M.A.D.S. ART GALLERY/イタリア・ミラノ)
2022年 CANVAS INTERNATIONAL ART FAIR 2022(ITSLIQUID Group/イタリア・ヴェネツィア)
2022年 I THE WORLD REVOLVES AROUND ME(M.A.D.S. ART GALLERY/イタリア・ミラノ&スペイン・カナリア諸島)
2022年 THE BODY LANGUAGE 2022(ITSLIQUID Group/イタリア・ヴェネツィア)
2021年 SACRIFICE 2021(M.A.D.S. ART GALLERY/イタリア・ミラノ)
2009年 Larotica II 展(GALLERY ART POINT/日本・銀座)


2025年 ANTHOLOGY THE LAST DECADE 2015-2025(M.A.D.S. ART GALLERY)
2025年 Le Musee Plus Magazine Vol. 2(Le Musee Plus)
2025年 Imago 2(Galleria Tilde)
2025年 Imago(Galleria Tilde)
2024年 Digital Art Creators(365 Art+ Business Magazine)
2024年 Le Musee Plus Magazine(365 Art+ Business Magazine)
2024年 Rothschild Fine Art -2(365 Art+ Business Magazine)
2024年 People Creating the 21st Century(365 Art+ Business Magazine)
2024年 The Best Contemporary Masters 2024(Fondazione Effetto Arte)
2024年 The Luxury Collection of Contemporary Artistry(Contemporary Art Collectors)
2023年 WORLD ART GUIDE 2023(Bellamonti Art)
2023年 PHOTOGRAPHY IN THE VISUAL CULTURE(MUSA International)
2022年 WE CONTEMPORARY INTERNATIONAL ART CATALOG(MUSA International)
2022年 ART ANTHOLOGY V: MADRID EDITION(Guto Ajayu Culture)
2021年〜 365 Art+ Magazine(365 Art+ Business Magazine)
2019年 ホットペッパービューティー 2019年7月号(リクルート)
2019年 大人のおしゃれ手帖 2019年5月号(宝島社)
2016年 自律神経を整えるスマホアプリ100選(技術評論社)
2014年 月刊 MacPeople 2014年7月号『iPhoneデベロッパーがいま考えていること』(アスキー・メディアワークス)
2013年 月刊 MacPeople 2014年2月号『人気&注目のデベロッパーに聞く!スマホアプリの最新トレンド!』(アスキー・メディアワークス)
2010年 Photoshop × Illustratorで創り出す コラージュ&イラスト(MdN)ISBN: 978-4-8443-6154-1
2010年 Photoshop 三ツ星テクニック大全(MdN)ISBN: 978-4-8443-6097-1
2009年 GADGET FOR DIGITAL NATIVE(MySpace From JP)
2009年 on View From JP.(MySpace From JP)
2008年 注目のクリエイターたちに学ぶ アート表現、プロの魅せ方・つくり方(MdN)
2008年 Photoshop Making Studio(MdN)
廣川政樹 / Masaki Hirokawa - Reclining Buddha / 涅槃像, October 2020. Digital Media and Photo Collage, 125 x 100 cm.
影響について
私が 16歳だった 1997年頃、当時まだ新しかったインターネットに強く心を惹かれ、それをきっかけに独学でウェブデザインを学び始めました。ネットという場を通して、国境を越えてデザイナー、プログラマー、アーティストの方々と出会えたことは、私の視野を大きく広げ、多分野を横断して物事を見る姿勢を形作って行きました。
一方で、より静かな継承もありました。私の両祖父は共に宮大工として、社寺建築の建造や修復に携わっていました。そこから私は、形や空間は目に見えないものを受け止める器になり得ること、そして手を動かすことそのものが一つの信心であり得ることを、自然と受け取っていたのだと思います。この感覚は、私が一見アートとは無縁に見える分野で働いていた時期にも、ずっと根底に流れていました。
その後、私の歩みは基幹システム開発、インタラクティブムービー制作、グラフィックデザイン書籍の執筆、ゲーム開発、アプリ開発へと広がり、2019年からは改めてグラフィックアートに舵を切りました。同年の晩秋、東京・吉祥寺駅の夜空の下で、私は不思議な光の輪を目にしました。それは言葉を伴わない指示であり、どこかラテン語で語りかけられているような感覚でもあり、今後は視覚表現に心血を注ぎなさいと告げられているかのようでした。その体験が、象徴的で夢幻的な作品を一気に制作していく大きな転機となりました。
私は、自由で主権的な表現を貫いた画家レオノール・フィニに深い敬意を抱き、またエンジニア出身でありながら構造的で詩的な作品を作り上げたハンス・ベルメールの美意識にも強く惹かれています。これらの作家を最初に知ったのは澁澤龍彦氏の著作を通してでしたが、その世界観は若い頃の私に決定的な影響を与えました。なかでも最も大きな影響を与えてくれたのは、17歳の時にオンラインで出会った一人の指導者です。芸術とは高尚な特別のものではなく、本来は全ての人に開かれた自然な言語である——そのことを、彼は教えてくれました。
廣川政樹 / Masaki Hirokawa - Causal Sets / 葬列, April 2023. Digital Media and Photo Collage, 41 x 61 cm.
将来への展望
私の創作上の目標は、精神性と科学が接するところに立ち現れる「余剰次元」を視覚化することと深く結びついています。一般相対性理論や量子力学、因果集合論に触れながら、一方で最愛の祖父母が大切にしていた仏教の信仰にも改めて向き合うことで、この関心は少しずつ育まれてきました。
作品を通じて、聖なるものと世俗的なものとの断絶を少しでも和らげ、人と自然との細やかな結びつきを回復させたいと考えています。自然の象徴、人間の哲学的な思考、そして現代科学のイメージを視覚的な物語として織り上げることで、内に潜む聖なる次元が、私たちが生きる広い世界と対話できるようにしたいのです。
要するに、私の作品が、これら幾つもの領域のあいだに静かに立つ仲立ちとなり、作品を観てくださる方々が、自分自身と宇宙のより深い層に触れるきっかけになれば、それが私の創作の役割だと考えています。
廣川政樹 / Masaki Hirokawa - The World in a Birdcage / 啓示, August 2020. Digital Media and Photo Collage, 89 x 124 cm.
子どもたちに見せる世界
この願いは、同時にとても個人的なものでもあります。今は離れて暮らす子どもたちの父として、また転居や別離、様々な困難をくぐり抜けてきた者として、私は、芸術とは次の世代に温もりと強さ、そして美しさを託して行こうとする、一生を懸けた誓いの形なのだと感じています。言葉は時に不器用ですが、作品は、たとえ離れていても、世代と世代、言葉と言葉、内なる世界と外の世界を静かに結び直す架け橋になり得ます。
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